酸蝕症ってどんな病気?

酸蝕症ってどんな病気?

寒い日が続きますが、お風邪など召しませぬようお気をつけください。

今年も幸多き年でありますよう、お祈り申し上げます。

 

さて、今回のテーマは酸蝕症についてです。

酸蝕症がどのような病気かご存じですか?

酸蝕症はすっぱいものに触れすぎた歯が溶けて弱くなってしまう病気です。

◆健康な歯◆

エナメル質が硬いエナメル質に守られています。

 

◆むし歯◆

プラーク(歯垢)に棲むむし歯菌の出す酸によって限局的に歯が溶けます。さらに進行すると穴があいて痛みが出ることもあります。

 

◆酸蝕症◆

酸に触れた歯面全体が広範囲に溶けます。まずエナメル質が溶けて、進行すると象牙質がむき出しになります。知覚過敏が起こりやすい状況です。

 

この酸蝕症の原因は2つあります。

◆原因1:胃酸(逆流性食道炎)

胃酸は強酸性です。ゲップとともに上がってくるすっぱい胃酸が歯を溶かしてしまいます。

 

◆原因2:酸性度の強い飲食物を過剰にとる食習慣

・運動中のスポーツ&ビタミン飲料

→唾液が乾く運動中は、酸の影響を受けやすいので、なるべくなら水やお茶を飲みましょう。スポーツ飲料を飲むなら、最後にひと口水を飲むようにしましょう。

・柑橘類や酢の摂り過ぎ

→柑橘類や酢を健康、美容、ダイエットのために毎日とっているかた、過剰摂取は酸蝕症の原因につながるので気を付けましょう。

・哺乳瓶でジュース

→ふだんから哺乳瓶でジュースを飲ませていると、酸が前歯の裏に集中的に触れるので、酸蝕症の原因になります。

・チューハイ、梅酒、ワインをチビチビ

→毎晩酸味の強いお酒で晩酌するかた、チビチビ飲みにご注意ください。歯が酸に長く触れるのでリスク大です。

 

表は身近な市販飲料、柑橘類、調味料の酸性度を表したものです。表の左側のものは酸性度が高く注意が必要です。

歯が溶けてしまわないよう、歯磨きや最後のひと口に水を飲むようにして用心しましょう。

 

 

西日暮里はやし歯科 院長 林 大樹